新任管理職の心構えができるリーダーの仮面【感想あり】

実践

「マネジメントでいい人になるのはやめなさい」という強烈な帯が目につく『リーダーの仮面』。

本書の概要と感想、読むべき人を紹介します。

『リーダーの仮面』(識学 安藤広大)

書籍の概要

タイトル

リーダーの仮面―「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法

著者

安藤広大

電子書籍の有無

出版社

ダイヤモンド社

発売日

2020年11月24日

著者について

著者の安藤広大氏は、株式会社識学の代表取締役社長で、同社を2019年にマザーズ上場をさせています。
『伸びる会社は「これ」をやらない!』、『数値化の鬼──「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法』などの著書があります。

2021年1月時点で、約2000社との取引実績を有するそうで、理論だけでなく実践が伴うメソッドであることが伺えます。

『リーダーの仮面』を読んでみた感想

全員が守れるルールを作るべし

リーダーがフォーカスすべきこととして下記の5つが挙げられています。

1.ルール
2.位置
3.利益
4.結果
5.成長

これ以外のことは任せ、見守り、待ち、スルーすればよいとされています。
そうしないと「素顔」のまま疲れ果ててしまうというのです。

ついついメンバーと信頼関係を築こうと距離をつめたくなってしまうものですが、それは不要とのこと。確かに、一人ひとりの違いに丁寧に応じていこうとするととても時間が足りなくなります。そして、リモートワークが多い場合、関係構築自体が困難です。マネジメントの焦点は、部下との関係性でなく、業績や業績につながる成果、または成長であることは間違いありません。

一番わかりやすいのがルールをつくることでした。
誰でも守れるルールがあることでストレスがなくなるのです。
ルールがあるからこそ、安心して信号を渡ることできるというのはすごくわかります。
リモート会議にぎりぎりに入ってくる若手社員、、、顧客との商談でやられたらたまりません。こういった場合は、「社内会議ならオンタイムでよいが、遅れる場合はチャット連絡。顧客との商談の前は5分前集合」とさえ、決めてしまえばよいのです。曖昧なまま、「若手は早く来ておくべき」、「顧客との商談前は事前確認があるのが当たり前」と考えているだけではいけないのです。これを守れない場合には、関係性に関係なく指導していけばよいのです。これは、当たり前のようでできていなかったと反省しました。

若手リーダーにもおすすめ

「いい人から脱却するマネジメントとは?」をまとめてしまうと7点だと理解しました。

①手取り足取り教えない
②ついてこさせようとしない
③ルールで信号を渡らせる
④迷わず距離をとる
⑤利益を目指す
⑥結果を基点にする
⑦先頭を走らない
⑧逃げ切ろうとしない

これらは、いざ管理職になってからではなく、ぜひリーダー職やリーダー的な役割を担ったタイミングから意識し、実践の経験を重ねていきたいものです。チームや課全体に影響力を発揮することは難しくても、1つのプロジェクトや、面倒を見ている後輩メンバーとの中で、上司を巻き込みながら実践をしておくべきだと思います。

『リーダーの仮面』本文からとくに印象深い一節を引用して紹介

■優秀な人ほど犯す2つの「失敗」
ひとつは、細かく指導しなければと思い、「もっとこうすれば?」「じゃあこうしてみようか?」と手取り足取り指導する人
もうひとつは、「俺の背中を見て覚えろ」と言わんばかりに自分がプレイヤーを続け、部下についてこさせようとする人。

実は、どちらも最悪なパターンです。

前者は優しくていいリーダーに見えますが、メンバーが思考停止し、成長しません。
後者も、できるリーダーに思えますが、実はリーダーとしての責任を放棄し、役割を果たしていません。

私は、2000社以上の会社を見てきましたが、プレーヤーとして優秀な人ほど、このどちらかのパターンに陥りがちです。

部下やスタッフを持つと、これまでの仕事の延長ではなくなり、「まったく別次元の能力」が必要になるのです。

本文12ページより

『リーダーの仮面』はこんな人におすすめ

こんな人に強くおすすめします。

  1. リーダーやマネージャーとしての考え方を知りたい
  2. 人間関係ではなく業績や成長をマネジメントしたい
  3. 管理職としてのあり方や振る舞いに迷いがある

まとめ 自分なりのマネジメントを確立させたい人へ

私自身、この本はすごく参考になりました。
信頼関係が一番だと考え、メンバー個々のマネジメントに傾倒してしまっていたからです。
私の振る舞いを公平でないと感じるメンバーもいたことでしょう。
とくにリモートワークになってからは、個別のマネジメントはものすごく負荷がかかります。そして、オフラインでやっていたような関係形成はできません。会社の評価も、プロセスよりも結果重視に移り変わっています。
同じような状況にある方はぜひ本書を手にとってみてください。

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